園芸家12カ月 (中公文庫)Powered By Amazon Web Service (Amazon Associates)
その絶妙のユーモアは、園芸に興味のない人を園芸マニアにおちいらせ、園芸マニアをますます重症にしてしまう。秋の園芸家は、お隣の庭が気になったり、新しい球根が欲しくなったり、止せばいいのにイソイソと出掛け、冬の園芸家は、本当の園芸家とはかくあるべしと言わんばかりに、土をフカフカさせることに躍起になっています。
書評ユーモラスな表紙の雰囲気そのままemiemi2003/11/14 20:19:00妙なタイトルだな?と思って手にとると、表紙にいる人物の姿に苦笑。かように園芸家の生態とは、年がら年じゅう様々な衝動に突き動かされ、居ても立ってもいられず庭に出て、どうにもままならない日光と水と土とを相手に格闘し、それで満足するどころか性懲りもなくずんずんドツボにハマっていくものなのです。
本書では、園芸を熱心な趣味としてしまった者の哀しい(?)性が、鋭い人間観察によって丹念にというよりも、容赦ないほど執拗なくらいに描かれている気分です。あと、1930 年ごろの、チェコでの園芸についての本ですから、日本での園芸に参考になる点は少ないと思います。園芸にそれほど興味がなくても園芸家の12か月とはどんなものか興味がわいてくる。
SF小説でロボットという言葉を発明し、ノーベル文学賞候補にもなったほど多彩な作風を誇るカレル・チャペックですが、自身が園芸熱に憑りつかれたばかりか、どうにも園芸に振り廻されてしまっている有様を、自虐的に綴っているとも言えます。